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ソウマさんの手記「30年を共にした同性パートナーとの死別」 <闘病篇>
◆寂しいなんて幼児じゃあるまいし
カオルは病状が悪化するにつれ、不安と苦痛で夜眠れなくなっていった。
そして、しきりに誰かにそばにいて欲しいと言うようになっていった。カオル 「誰でもいいから泊まって」
カオルの母「寂しいなんて幼児じゃあるまいし」「ソウマさんも泊まらなくていいです」カオルの母の言葉は信じられないものだった。
「血は水より濃い、だから腐りやすい」とカオルはよく言っていたが、その意味がわかった気がした。
カオルの母は病院に泊まる必要はないと言っていたが、それでも私とカオルの弟は交互に病院に泊まり続けた。