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ソウマさんの手記「30年を共にした同性パートナーとの死別」 <闘病篇>
◆ホスピス
できる治療はこれ以上ないとのことで、ホスビスに紹介状を書いてもらい、カオルの母と一緒に説明を聞きに行った。
カオル本人は「あと6ヶ月くらいは大丈夫」と言っていたが、ホスピスの医師の見立てでは、あと1ヶ月未満とのことだった。想像以上の早さに呆然とした。
その後、母は娘にそのことを告げるため、がんセンターに戻っていったが、私はカオルがその事実を知ったときの顔を見るのが怖くて病院に行くことができなかった。
もう、終わりだ。死が迫ってくるのを怯えながら待つことしかできない。蟻地獄に吸い込まれてゆくようだ。