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ソウマさんの手記「30年を共にした同性パートナーとの死別」 <闘病篇>
◆お迎え現象
亡くなる2日前から前日にかけて2〜3回、カオルが病室の天井を指差して驚いた表情をしていた。
私 「何か見えるの?」
カオル「うん(うなづく)」何が見えるのかは聞けなかったが、表情からして怖いものや不快なものではないようだった。
そのころから、カオルの足に紫の斑点が出はじめ、病室の匂いも独特のものとなっていった。
いよいよかと思った。死が避けられないなら、できるだけ苦しまず安らかに最期を迎えられるよう、祈るしかなかった。