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A(50代ゲイ男性)の死別体験記
<お葬式を終えて>
お葬式を行うことになるのですが、本来配偶者ともいえる私が、喪主となり、葬儀を主祭することになるのですが、私がまだ若いということもあり、ご両親の意向もあり、彼の叔母さんが手配をしてくれました。私は、親族席ではなく、通路を挟んだ友人席のいちばん前に座ることになりました。
というのも、彼の両親やお姉さんは彼と私との関係について理解があり承認してくれてはいても、彼のお祖父さんやお祖母さんも参列するため、「私が親族席に座るとなると、どのような関係だったかを説明する必要があり、彼のセクシャリティについて伝えることになるので、高齢の祖父母には理解が難しいだろうし、ただでさえ、急な死別にショックを受けていて、さらに混乱させるには忍びない」と彼のご両親のお気持ちを受けてのことです。
お葬式には彼の友人を含めて200人くらいの人たちが参列してくれました。
納骨をするための四十九日の法要は、親族のみで行うものなので、ご両親から「あなたは参列しないで欲しい」と言われました。ご両親と話し合いをして、私一人だけがそこに参加するのでは、彼との関係性を個別に説明する必要があり、カミングアウトする必要があるため、「特にお世話になった親しい友人たち」ということで、もう一人、別の友人も一緒に参加するということで認めてもらえました。
職場では、カミングアウトしていないこともあり、彼との死別や葬儀のことは伝えていないことため、「忌引き」が使えず、実は告別式の日は、仕事上で重要なプレゼンテーションがあり、午前中に告別式を行い、火葬された彼のお骨を拾って、午後には、その会議に臨むというしんどいこともありました。