• けんじさんの死別体験 エピソード001 旅行から帰ってきたらパートナーが亡くなっていた

    ◆ひろしさん倒れる!

    透析治療が始まって2年くらい経ったある日の深夜4時頃、寝ているひろしさんが突然けいれんを起こしたことがありました。私は慌てて救急車を呼び、ひろしさんはそのまま病院に搬送されました。何とか回復し、医師の説明を待ちました。救急車を呼んだ際、私はパートナーであることを告げ、本人は集中治療室に運ばれました。私は待合室で2~3時間ほど待ちました。やっと医師が出てきて、説明を受けました。
    医師「低血糖を起こしていたようです」
    私 「えっ? 低血糖ですか?」
    医師「糖尿病の治療をしていたのでは?」
    私 「糖尿病の治療薬はもう飲んでいないんですが……」
    医師「血糖降下薬は飲んでいないんですか?」
    私 「はい。透析治療を受けてからは血糖値も安定していて、薬も飲まなくなりました」
    医師「うーん。なぜ低血糖が起きたんでしょうね。とりあえず、今日はICUで様子をみましょう」
    私 「はい。わかりました」
    医師が言うには、低血糖を起こして意識不明になったとのことでしたが、なぜ低血糖が起きたかはわからないとのことでした。
    ひろしさんは、その日はICUで様子を見て、翌日には退院できました。本人はけいれんを起こしたときの記憶がなく、なんで病院に入院していたのかもわからない様子でした。
    透析治療を行なっている病院には、救急で運ばれた病院から連絡があったようで、透析の際などに血糖値を気にするようになってくれました。ただ、やはり原因は不明のようで、透析に行ったら、かなり血糖値が下がっているときがあったようです。その都度、ブドウ糖を飲まされていたようです。
    私も薬局でブドウ糖のタブレット大量に買ってきて、「何かあればすぐに飲んで」と伝えました。それから1か月以内に一度、再び低血糖が起きましたが、その後は起こらなくなって、半年以上が経過したので、私も安心していました。